トーシロ囲碁戦記 コンピュータ囲碁に勝てない

アルファ碁にイセドルが敗北。人類最後の砦と言われていた囲碁でしたが、コンピューターの強さが完全に人間の上を行きました。COMが人間に勝てない時代、囲碁の対戦で人間を超えるのには100年かかると言われていましたが、ソンナコトハナカッタ。

◆Igo コンピュータ囲碁が人間越え

囲碁において、コンピューターが人間を超えるのは100年先と言われていました。 しかしながら、この説はGoogle DeepMindのアルファ碁により、脆くも崩れ去りました。 一度追い抜かれると、後はただ差を付けられるだけ・・・、 通常のソフトなら、バグ利用、プログラムの隙などがあるのでしょうが・・・、 アルファ碁は、深層学習(ディープラーニング)により、そういった隙が出来ても、自分で修正していく機能付き。 もう、アルファ碁と対戦して、人間が勝てる日はもう来ないのではないだろうか? という域にまで、コンピュータ囲碁は達しています。 ※アルファ碁が登場する以前、コンピューターの実力は人間に程遠く、  なぜ囲碁のコンピューターは弱いのか?と言われていました。  電聖戦においても、4子のハンデでいい勝負というように、人間に追い付く気配すらなかったのです。  このため、碁打ちにとって、アルファ碁の衝撃は計り知れないものでした。

◆Igo コンピューターの強さ

リバーシ(オセロ)、チェス、将棋、囲碁と、ボードゲームは軒並みコンピューターに制圧されてしまいました。 コンピューターの性能向上による寄与分もあるでしょうが・・・、 ソフト面に、コンピューターが強くなった大きな要因があります。 コンピュータ囲碁のアルゴリズム はじめ囲碁や将棋、オセロなど、コンピューターの読みは全探索に頼っていました。 可能性が高い手も低い手も関係なく、万遍無く読んで打つというやり方です。 このため、マシンスペックがあるにも関わらず、囲碁のコンピューターはあまり強くありませんでした。 処理能力があっても、無駄な読みが多すぎて話にならない・・・ そんな状況で登場したのが、モンテカルロ法。 モンテカルロ法とは モンテカルロ法というのは、ランダムアルゴリズムであり、一定の試行回数で結論を出す方法です。 要するに、人間の勝手読みと同じです。 100回の勝手読みを行って、51回の成功図が現れればそれは正しいということ。 穴のあるやり方なのですが・・・、 このモンテカルロ法によってコンピューター囲碁は飛躍的に強くなりました。 ※試行回数が多いほど、誤差(間違い)が少なくなります。  雑なやり方のため、コウ争いなど複雑なケースになるといきなり弱くなったりするのも特徴。 コンピュータ囲碁が飛躍的に進化 モンテカルロ法を導入し、囲碁の評価関数の見直し、詰碁専用の読み筋を搭載、マシンスペックの向上と、 ゆるゆると強くなっていくコンピューターといった流れだったのですが・・・ アルファ碁が全ての状況をひっくり返してしまいました。 アルファ碁には、モンテカルロ法のほかに、画像認識とディープラーニングが搭載されています。 1.モンテカルロ法で読み。 2.画像認識で大局観を判断。 3.深層学習(Deep Learning)で経験則を得る。 この3つが組み合わさることで、驚異的な強さになるという仕組みです。 コンピューター囲碁の弱点だったコウも克服し、付け入る隙が見当たらない上、 自己対戦で経験則を強化、どんどん強くなるという化け物。 ※それぞれ単独だと、アマ高段レベルだそうです(当時) コンピュータ PC性能の向上 昔と今のPCでは、性能が全く違います。 技術の進歩により、短い時間で深く読めるようになるため、マシンスペックの向上も馬鹿に出来ません。 ファンフイ氏との対局で、アルファ碁は早碁が苦手と判明していますが、 PCの性能や経験則が上がるにつれ、こういった早碁の穴も無くなっていくことが予想されます。

◆Igo コンピュータに人間が敗北

世界トップ棋士のイセドル9段に4勝1敗、アルファ碁の登場で人間とコンピューターの実力関係がひっくり返りました。 アルファ碁は、イセドル9段との対局前に、欧州大会優勝のファンフイ氏に勝利しているのですが・・・(2015年10月) ファンフイ氏との棋譜が公表された時点では、一部を除きあまり騒がれていませんでした。 ※このときアルファ碁は、他の市販ソフトに対して、495戦494勝1敗という結果も出しているそうです。 日本におけるアルファ碁の評価(当時) 欧州プロ棋士に5戦全勝でしたが、日本の名人やプロに比べると弱い。 アマ名人に勝ったくらいなんじゃないか?等、評価される声はあまりなかったという印象。 イセドル戦の1局目においても、解説陣からは人間が勝って当然という雰囲気が漂っていました。 ※海外において、イセドルに全財産ビットコインで賭けたという猛者まで・・・(ネタかな?)  ちなみに、オッズは1局目からアルファ碁優勢だったようです。  海外だと、囲碁のコンピューターが人間を越える訳ないなんて固定観念ありませんからね(たぶん)
◆Igo コンピュータ囲碁とプロ棋士
コンピューターが人間に勝てない時代改め、人間がコンピューターに勝てない時代となりました。 しかし、コンピューターが人間より強くなっても、プロ棋士の需要はなくならないでしょう。 事実、チェスのグランドマスターや将棋において、プロの需要は減っていません。 コンピューターが優れた棋譜を残しても、解説出来るレベルの人がいないと宝の持ち腐れですからね。 今後のコンピューター対局 アルファ碁がネット碁に登場、日中韓トップを含むプロ棋士を相手に60連勝! あまりにも強すぎて、太刀打ちできないような状況になっているそうです。 ※世界最強棋士 柯潔(かけつ・コジェ)、井山六冠(元七冠王)、朴廷桓を撃破! 将棋電王戦のように、プロとコンピューターのどちらが勝つかわからない。 というような勝負が見られるといいのですが・・・、 Googleさんは、あまりそういったサービス精神なさそうなんですよね。 Deep Zen Go(Crazy Stone)の方は、趙治勲名誉名人が2勝1敗と勝ち越しました。 人間がコンピューターに勝つには? Deep Zen Goの方も、今後パワーアップしていくことでしょう。 そうなると、人間側が不利、いつかまったく勝てない状況になってしまいます。 将棋の電王戦ではありませんが・・・、 1.マシンスペックの上限を決める。 2.ソフトの貸し出しに加え、貸し出し時点、旧バージョンディープラーニング版と対局する。 3.2日制による封じ手、人間側がゆっくりと考えられる時間を作る。 4.持ち時間の取り決め(人間側のみ、持ち時間が無くなったら、秒読み10分とする)   若しくは、持ち時間を双方とも、極端に短くする(持ち時間なし、一手5秒) こういった措置がないと、人間側がきついと思われます。 まだ将棋のが可能性あるんじゃない? 人間とコンピュータ囲碁の差を見て、このような意見まで出てくるほど。 コンピュータ囲碁は、人間の理解が及ばない領域まで行ってしまっています。 プロの解説より・・・ アルファ碁は筋が悪い。アルファ碁の手は弱い。  局面ではアルファ碁が悪い。アルファ碁の手は酷い。 からの、どうしてイセドルさんが負けたんだ? 納得できない。 ※旧バージョンのアルファ碁の対局(アルファ碁 vs ファンフイ氏)により、  長い碁よりも、早碁の方がコンピューターにとってきついことが判明。  ディープラーニングを重ねると、このアドバンテージも無くなってしまうのでしょうが・・・、  まだまだ先のはず・・・?
◆Igo コンピュータ対戦や大会等
アルファ碁は市販されていませんし、今後も市販される見込みは薄いですが・・・、 天頂の囲碁や最強の囲碁にて、ディープラーニング型が発売されました! 天頂の囲碁などは、5から6(ディープラーニング版)になっただけで、 KGS5段クラスから7段へ大幅な棋力向上を遂げたそうです。 将棋ソフトのポナンザじゃないですが、市販ソフトがプロレベルに到達するのも遠くないかもしれません。 ※アルファ碁のディープラーニングですが・・・、これは囲碁だけに留まらないようです。  将棋やチェス、オセロといったゲームにも使えますし、  その外、心理戦のホールデムや運ゲーの麻雀、対戦ゲーム、経済や株価の予測など、  あらゆる物に対し応用が利くそうです。 コンピュータ対局や大会 コンピュータ囲碁の実力を競う、uec杯コンピューター囲碁大会や、 コンピューター vs プロ棋士による対局、囲碁電王戦などが有名です。 TOPに戻る:コンピュータ囲碁に勝てない
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